王女が無事に保護され、一連の犯人が王太子だと判明すれば、騎士団はすぐに動くだろう。彼らには国王陛下を始めとした、この王城に囚われている人たちの救助をしてもらう。
 そしてセシリアは一刻も早く、おそらくもうフィンを倒しているアルヴィンと合流する。それからララリ達が持ってきてくれる材料で魔道具を製作し、アレクと対峙する。
 エンディングまでの道筋は見えた。
 あとはそこに辿り着くまで、全力で戦うだけだ。
 覚悟が決まったのか、顔色も良くなったミルファーをララリとリアスに託し、セシリアは急いでアルヴィンの元に戻ることにした。
 彼ならば大丈夫だと信じているが、それでも離れていると不安になってしまう。
「魔導具の材料を入手して、騎士団とともに戻ってきます」
「ええ、お願い」
 ララリと再会を固く約束して、セシリアは先に王女の部屋を出た。
 アルヴィンには後で叱られるかもしれないが、ミルファーたちが無事に王城を脱出できるように、囮のように城内を歩き回った。
 焦ったように、道に迷ったように装いながら。
 アレクはきっと、自分の様子を伺っているはすだ。