しかも、アルヴィンはセシリアの守護騎士。
セシリアのものなのだ。
激情のまま、セシリアはアルヴィンの部屋の窓を大きく開け放つと、そこから飛び出した。
「お嬢様!」
付き添っていたメイドが悲鳴を上げたが、悠長に大きな屋敷を回って正面に向かう余裕はない。慌てる護衛や侍女を振り切って、そのまま敷地内にある騎士団の訓練所に駆け込んだ。
「アルヴィン!」
彼は、複数の少年に囲まれていた。
それぞれの手には訓練用の木剣がある。
アルヴィンはけっして膝をつかず、熱のためか白い肌をほんのりと赤く染めながらも、俯くことさえせずにまっすぐに立っている。その美しくも気高い姿に、セシリアは今まで心を支配していた怒りさえ忘れて、思わず溜息をついた。
だがそれも、見習い騎士の少年のひとことで、たちまち再燃した。
「親に捨てられたくせに」
アルヴィンがどうしてこの屋敷に来たのか、どこかで聞いてきたのだろう。
その言葉が、アルヴィンを傷つけたのがはっきりとわかった。
「何をしているの!」
心境はもう、我が子をいじめられた母親に近いものがあった。
セシリアのものなのだ。
激情のまま、セシリアはアルヴィンの部屋の窓を大きく開け放つと、そこから飛び出した。
「お嬢様!」
付き添っていたメイドが悲鳴を上げたが、悠長に大きな屋敷を回って正面に向かう余裕はない。慌てる護衛や侍女を振り切って、そのまま敷地内にある騎士団の訓練所に駆け込んだ。
「アルヴィン!」
彼は、複数の少年に囲まれていた。
それぞれの手には訓練用の木剣がある。
アルヴィンはけっして膝をつかず、熱のためか白い肌をほんのりと赤く染めながらも、俯くことさえせずにまっすぐに立っている。その美しくも気高い姿に、セシリアは今まで心を支配していた怒りさえ忘れて、思わず溜息をついた。
だがそれも、見習い騎士の少年のひとことで、たちまち再燃した。
「親に捨てられたくせに」
アルヴィンがどうしてこの屋敷に来たのか、どこかで聞いてきたのだろう。
その言葉が、アルヴィンを傷つけたのがはっきりとわかった。
「何をしているの!」
心境はもう、我が子をいじめられた母親に近いものがあった。



