「そうだな。これからずっと、ふたりで生きていくんだ。時間は、いくらでもある」
 どちらからともなく手を差し伸べて、しっかりと握っていた。
 次の休みは、明後日だ。
 フィンからは、すぐにどちらも了承したという返事がきていた。
 アルヴィンが一緒なら、それほど恐れることはない。
 当日は何か起こるかわからないから、いざとなったら腕輪を外す覚悟があることも、アルヴィンに伝えておく。反対されるかもしれないと思ったが、アルヴィンは真摯な顔で頷いた。
「もし危険だと思ったら、迷うな。後のことはどうにでもなる。セシリアの身の安全が、一番大切だ」
「……うん」
 もしかしたらフィンも、魔族と繋がっているかもしれない。
 油断はできないと気を引き締める。
「アルヴィンも気を付けて」
「わかっている。セシリアを泣かせるようなことはしない」
 覚悟と愛を確かめ合い、当日に備える。
 それから休日までは、いつもと変わらずに静かに過ごした。今のところ、王太子にもフィンにも目立った動きはないようだ。
 そうして、当日の朝。