邪剣が妖刀となるほど、人の血を吸った頃、男の生が終わりを迎えかけていた。

 ほとんど不眠不休で人を狩る鬼となったが、その器はまだ、かろうじて人の姿をしていたた為であった。

 だが、妖刀は持ち主の生が終わり、その役目を終えることを嫌がった。

 あまりにも血を吸いすぎた妖刀は、次々に人の手にわたっては辺りを血に染め、持ち主を鬼へと変貌させていった。