その日もいつも通り、業務をこなしながら、引継ぎデータを作成していた。

お昼休憩がそろそろ終わりの時間に一足先に仕事を開始していた私にものすごい勢いで何かが近づいてきた。

「ねぇ、ちょっときて、」
そういわれ、
返事をする前に手をつかまれ引っ張られて連れていかれたのは”あの”会議室だった。
目の前には鬼の形相をした優君だった。

「どうしたの、?」

「どうしたの、じゃねぇよ。どういうことだよ。」

「え、なにが、「大阪行くってどういうことだよ。」」

あぁ、ばれてしまった。
黙っていなくなろうとしていたことは非を認めるけど、でも、君にとっても好都合でしょ?なんて私の中の悪魔がささやく。神様は意地悪だ。話し合う時間もなく大阪に行ってフェードアウトしていけたら、なんて思ってたのに、これじゃあ、まだ言い訳準備できていない。さぁ、どうするもんか、、、

「何とか言えよ、嘘だって言えよ。なんで俺はそのことを本人じゃなく藤堂から聞かされなきゃいけないんだ。説明して。最近よく大阪出張に行っていたのはそのせい?黙っててもわからないんだけど」


「ごめん、、」

「別に謝ってほしいわけじゃねーよ。説明して。」