大阪に行くと決めてからの私の行動は早かった。

行くと決めた次の日には引継ぎデータ作りを開始し、企画課に私がいなくても私が立案したプロジェクトがスムーズ進むように考えていたアイディアをまとめ、その週末には大阪の物件を内見し住むところを決めた。我ながら上出来だ。

ただ、優君にはまだ、話せていない。転勤まであと一ヶ月しかなくて早く伝えないといけないことはわかってる。
怖いんだ。あっけなく終わってしまうのが、、

優君がいつも通り忙しくて、すれ違いになっているのも事実。それを利用して、うまく逃げてる弱虫な自分。

正直に話して、この関係に結末をつけることが怖い。何が正しいかなんてわからないけれど、一人でも大丈夫だと胸を張って言えるように今は耐えるしかない。優君の記憶上の私は笑顔いたいから、、


公になる前にひっそりと、いつもより少し早く出社し引継ぎデータを作成する日々が続いている。

今日も仕事がんばらないと、やり残したことがないように、、

「愛菜、今日お昼一緒に食べない？」

神妙な面持ちの美琴に一瞬驚くが、こんな機会もあと数回かもとおもい誘いに乗ることにした。
「いいよ！それより、体調大丈夫？？」

「うん。最近は落ち着いてるよ、じゃあ、お昼になったら連絡する。」

「はーい！」

そしてお昼まで仕事に没頭した。