永和side




郁也を追いかけたら

春先輩と時雨先輩




つい、物陰に隠れて3人の会話を聞いてしまった




ごめんね、先輩




先輩のこと好きだよ




だけど俺は先輩を幸せにすることは出来なくなった






だから






「男相手のオメガに本気になる訳ねぇじゃん」





先輩のこと突き放すよ






「永和、言っていいことと悪いことぐらい分かんだろ」

「時雨先輩こそ、俺と春先輩のことに首突っ込まないで下さい」

「は?」






俺自身が先輩を幸せに出来なくても一生守るから

安心して幸せになって







「男のオメガがどんなのか知りたくて先輩に近づいただけだし。

そしたらマジになられて正直焦ったわ」





ははっと乾いた笑いしか出なくて


春先輩の顔見れなくて





時雨先輩のキレた顔と郁也の泣きそうな顔だけ見えた





「ふざけんな!!」

「永和には手を出させません!!」

「離せ郁也!!どう考えたってあいつがクズだろ!!」

「それでも!!永和を傷つける奴は俺が許しません」







ごめん、郁也





「郁也、手離して」

「永和……」

「殴れば気が済むだろ」






郁也が先輩の手を離した瞬間に

俺は時雨先輩に殴られた