「実は俺も好きで、国光先輩から春先輩も好きって聞いたので」

「行く!!」

「よっしゃ!!」




永和はアルファだけど

それをこいつは押し付けてくることはない


だから居心地は悪くないが




結局こいつもオメガのヒートには逆らえないだろう





オメガの人権なんて無視して

己の欲望のままオメガを穢すだろう








「春、明日大丈夫か?」

「大丈夫。薬も飲んでるし」

「……何かあったら連絡して」




しぐの兄貴は医者で俺のヒート抑制剤とかを処方してくれている


だからしぐは俺の体調をよく心配してくれる





「しぐは心配し過ぎ。中学の時みたいなヘマしねぇよ」

「だけど」

「ライブ前に連絡すっから」




しぐは不安そうな顔をしていた

この不安が的中するとはまだ思っていなかった