俺の好きにさせてください、お嬢様。





「考えろ、まずはエマお嬢様の行きそうな場所だ」



俺がエマお嬢様のスマホを手にしている時点で、連絡手段もなければGPSも使えない状況。

ホテルに戻って確認するとしても、その間に危ない目に遭っていたら元も子もない。


そして俺がエマお嬢様を助けられなかったとなると、専属執事を降ろされる可能性も出てくる。

俺がそんなことにはさせないとしても。



「エマお嬢様は中国語が話せない。となると…まずは日本語が通じる人を探すはずだ」



冷静に考えたとしても、そのとおりにならないのが実践。

執事として理性を保ちつつ、俺は聞き込みから始めた。



「对不起。 你在这里见过一个黑发的、身材娇小的日本女高中生吗?
(すみません。この辺りで黒髪で小柄な、日本人の高校生の女の子を見ていませんか?)」


「它是一个旅游目的地。我不是什么都看!
(ここは観光地だからねぇ。そんな一々見てないよ!)」



やっぱりこれじゃあ埒が明かねえ…。


ひとりひとりに聞いていったとしても、結局はアジア国。

色んな国から観光客が来ているだろうけど、エマお嬢様は現地の人間に紛れてしまう。