「エマお嬢様は泣いている俺を見つけて、わざわざ四つ葉のクローバーを探してきてくれたんです」
「そうだっけ…、へへ、詳しくはまだ思い出せなくてっ」
「泥だらけになって使用人を困らせてまでも、俺のために拾って来てくれたんですよ」
きっとそのときのわたしは、泣いている男の子の慰め方なんか分からなかったから。
四つ葉のクローバーを渡せば笑ってくれるんじゃないかって思ったはず。
「俺にとってあの瞬間から、…仕えたいと思ったお嬢様はエマお嬢様だけなんです」
そっと髪を撫でてくれる。
その甘くて優しい顔は、わたしだけが見れるエリート執事の顔。
「あなたの隣に、泣き虫ではなく立派な男になって立ちたかったんだ」
「叶ったねハヤセっ!」
あのときの泣き虫な男の子は、それからSランクになってわたしの前に現れてくれちゃうんだもん。
そんなの考えただけでもすごすぎる。
「すごいねっ!また会えたっ!!」
「───…はい…っ!」
「あっ、でもやっぱり泣き虫!」
涙を拭いながら幸せそうに四つ葉のクローバーを受け取ってくれた男の子が、わたしの目の前にいた───。
*



