「俺はエマお嬢様のものなら…何だとしても好きです」
「ち、小さくても…?」
「……むしろ俺はそちらのほうが、」
「えっ」
「いえ、なんでもありません」
……うん、聞こえなかったふりでいいかな。
わたしの不安は今は飛んでいっちゃってるから無事に解決だ。
「ねぇハヤセっ」
「なんでしょう?」
いつの間にかクスクス笑い合っていた。
外は雷と大雨、中は停電。
それでもドキドキと幸せが胸いっぱい。
「わたしね、ずーっと昔に…屋敷の裏で泣いてた男の子に四つ葉のクローバーをあげたことがあるよ」
その笑顔はピタッと止まった。
そして泣きそうな顔でわたしの言葉を待っている、その男の子。
「ハヤセでしょ?きっと、泣いてばかりだった……ハヤセ」
「───…覚えて…くれていたんですか」
「うん、思い出したの。ハヤセを見てたら思い出したっ!」
すっごく幸せそうな笑顔をして受け取ってくれたんだもん。
その男の子の笑顔が小さな頃のわたしの脳内にインプットされて。
ずっとずっと忘れないように残されていたんだと思う。



