「俺の理性なんか本当は頼りないのです。それでもあなたは煽ってくる、困りますよエマお嬢様」
「…また困らせちゃった…」
「ええ、困ります。俺が言う“困る”の意味は、理性が切れるということなんです」
ずっとそうだったってことだ。
それって出会ったばかりの頃から言われてたから、じゃあそのときもわたしのことが好きだったの…?
「俺の理性が切れたらどうなるか───…
知りたいですか?」
「っ、…うん、知りたい」
「食べてしまいますよ」
「えっ」
わたし食べられちゃうの…?
煮るの?焼くの…?
たぶんだけど…おいしくないと思う…。
「俺は早く食べたい」
「っ、だめっ、」
「…どうして?」
「どうしてって、───んん…っ!」
噛みつくように奪われた唇。
そんなハヤセは狼みたいで、食べられちゃいそう…って思うときがある。
「…これだって俺はあなたを食べかかっているんです。その序盤みたいなものです」
「お、おいしいの…?ハヤセって偏食なんだねっ」
「……はい」
あ、まただ。
「もうそれでいいや」って諦めるような返事したよね今。
「は、ハヤセは……、大きいほうが…すき?」
「え…?なにがですか?」
「えっと、その……に、肉まん、」



