「ハヤセ、どうしてハヤセはそんなに冷静なの?」
「…冷静、ですか」
「うん、常に理性がある状態…?って感じっ」
今だって落ち着いてるもん。
わたしだってそんなふうになれたら、スタ女の生徒として正しいはずだ。
「実はそうでもないんですよ」
「え、そうなの…?」
「はい。…エマお嬢様と出会ってから、何度か理性なんか切れてますから俺」
まさかだ。
えっ、そーなの…?いつ?いつだろう…。
「直近のものですと、エマお嬢様が腰を抜かしてしまったとき」
「……あ、でも、そのときも“ある”ってハヤセ言ってたよ?」
「そう言わなければ抑えられそうにありませんでしたから」
確かにあんなにも激しいキスは初めてで、キスだけじゃなかった。
下手したらあのまま全身に降りてくる勢いだった…。
「あとは、早乙女の前で」
「早乙女…?」
「はい、エマお嬢様が初めて泣かされた日です。お嬢様は寝ていたから知らないでしょうけど……俺は早乙女を殺したいと思いました」
………いや怖すぎる。
いやっ、えっ、執事がぜったい言っちゃだめな言葉だよそれ…!!
そんなことがあったなんて…。
これは知らなくていいことだったかも…。



