「ほら、おいで」



____
__



電話がプツリと切れたあと、何度か深呼吸を繰り返す。

吸う息も吐く息も、情けないけど震えていた。


立夏はあの時と同じように、マフラーも手袋もしていない。

だけど、今は触れられない。


ほんとうのことを言っていいのなら、


今すぐ抱きしめたいし、

愛しくてたまらない。


けれど立夏にとって、俺は幼なじみだ。


ふたりの温度差が今は苦しい。



俺が近くまで行くと、立夏はゆっくりと顔をあげた。



『…これは…どういう状況?』