私は小さい頃から貯めた貯金からお金を出して、イオンに買い物に行った。でも圭兄に何をプレゼントしたらいいのか悩んだ。だって、男の子にプレゼントなんてしたことなかったから。

 困りながらイオンの中をうろうろしていると、ふと目に止まるものがあった。それは深緑のマフラーと手袋。圭兄は校則ではOKなのにマフラーを付けていなかった。それに深緑は圭兄の好きな色! 

 プレゼントを買って少しうきうきしながらイオンからバスで叔母の家に戻った。そして自分の部屋にこっそり隠した。

 帰ってきてリビングの前の廊下に行くとおばさんが圭兄に「クリスマスの日一緒に行くわよね?」って話しかけていた。

 「いや、いいよ。オレもう高校生だよ。部活もあるし、親と食事なんて恥ずかしいよ。小春と家で留守番してやるから久しぶりに二人でゆっくりしてきなよ。まだキャンセルきくだろ?それに小春を置いていくつもりだろ?」と圭兄は答えていた。

 叔母は私がリビングに降りてきているのに気づいて、何もなかったように「青島パームビーチホテルにクリスマスに泊まりに行こうと思うの。お留守番よろしくね」と言った。私は叔母にとってもお荷物なんだって悲しくなった。

 その日の夕飯が終わって、部屋で勉強していた。私がお風呂に入るのは最後だから。

 するとコンコンを部屋をノックする音が聞こえた。開けると圭兄がいた。「小春ちょっといいか?」と言って部屋に入ってきた。

 「クリスマスの件傷ついたろ?ごめんな。」って謝られた。

 「いいよ。圭兄はなんにも悪くないし、もう慣れたから」と答えた。

 圭兄はすまなさそうに悲しい顔をしていた。だから私は無理に明るく「圭兄が家にいてくれるなら寂しくないし、小春はうれしいから。圭兄ありがとう」って言った。