ある日、お母さんが起きてみると、

けいの身体中がふくれていることに

気づきました。


もともと、少しぽっちゃりしてましたが、

今の身体はまるで風船のようにパンパン。

とくに、顔はほっぺたがおたふく風邪の

ようにふくらみ、まん丸な顔になってます。


けいは、お菓子が大好きでした。

なかでも、チョコレートが大好物。

お母さんは、けいが甘いものばかり食べているせいで、
こうなったんだと考えました。


それから、けいは我慢して甘いものを食べませんでした。

大好物のチョコレートも家からひとつも、なくなりました。

ずっと、けいは我慢を続けました。

だけど、身体は変わらずふくらんだまま。

ぜんぜん元に戻りません。


これはおかしい、お母さんは思いました。

そして、お父さんに相談をしました。

お父さんは明日、けいを病院に連れていくように言いました。


次の日…

お母さんはけいを連れて病院に向かいました。

でも、けいの住んでいる町には、風邪とかおなか痛とか、

簡単な病気を治してくれる小さな病院しかありません。


お母さんは、けいの手を引っ張って、バス乗り場まで歩きました。

けいは、ふらふらとしんどそうに歩いていました。


それから、一時間くらいバスに乗っていました。

バスに乗っている間、けいは窓から少しだけ顔を出して、外の景色を見ていました。

初めてみる建物がいっぱいでわくわくしました。

窓から冷たい風が入ってきましたが、それを忘れるくらい夢中で外を見てました。