夜が明けぬなら、いっそ。





おしとやかで半歩下がってついて来るような女より、こいつには少し生意気な方が似合ってると思った。

ふっと思わず笑ってしまうと、そいつはどこか折れてくれたみたいで微笑んだ。



「…ならせめて言葉遣いだけは女の子らしくしてくれないか」


「…努力する」


「いきなり出来てないよ小雪」


「…努力…、します」



これもどこか違和感だ。

それは景秀も同じだったようで、「敬語はやめよう」と提案してくる。



「ほら、小雪。やってみて」


「……そう言われると逆に無理だ。普通に会話してくれ、その中でやる」


「あぁ、そうだね。わかった」



パチパチと火花が跳ねる囲炉裏。

昼間はだいぶ春の暖かさに変わったが、まだ夜は肌寒い。



「お腹は空いた?山菜があるから炊き合わせでも一緒に作ろうか」


「…うん。つくろう」


「お、なんか新鮮。それいいよ小雪、すごくいい」


「……だから一々反応されると逆に無理だ」



そんな私に笑って、「ごめんごめん」と謝ってはいない男。


どこか楽しそうだ。

私からすれば良い迷惑というやつなのに。