「大丈夫?……怖かった?」




優はきっと、さっきの出来事で怯えているんだと思ってる。


怖いという感覚なんて、その手に握られると消えてなくなってしまったんだ。




だけど、今は───……



「行かないで……」



その優しさに



「…そばにいて」



甘えたくなった。




ダメなことは分かってる。


今の私がしようとしていることは、良くないことだって。



「っ、」



背伸びをして、優に軽い口付けをした。


当然優は目を丸くさせる。




目の前にいる彼は

1度凄く怖い思いをした相手だというのに





「優っ……私を抱いて…」





またその優しさに包まれたいなんて──