あなたを愛しています

でも、苦闘の末に現れた我が子を見た瞬間、全てが吹き飛んだ。この達成感、喜びそして感動は女性じゃなければ味わえない特別なもの。


(学、生まれたよ。あなたと私の赤ちゃんだよ。)


元気な産声を上げる我が子を見ながら、私の目からは自然に涙が溢れ出た。


母はずっと付き添ってくれてたが、無事出産の報に、駆け付けて来た義母は、私の横のベッドでスヤスヤと眠る倫を見た途端に


「学の赤ちゃんの時と瓜二つよ。この子は間違いなく、学の生まれ代わりよ。瞳さん、ありがとう。」


と言って号泣。実はその時は


(そうかなぁ。赤ちゃんって、みんな同じ顔をしてるけどなぁ・・・。)


なんて思っていたんだけど、今の倫は本当に写真で見る同じ年頃の学にまさしく生き写し。血は争えないとビックリしている。


少しして、父も帰宅して、夕食タイム。小さい子供がいると、食卓も賑やかで楽しい。


母の料理は既に2歳の子供の胃袋を掴んでいる。


「ばぁば、美味しい〜。」


孫の一言に、母の目尻は途端に下がる。


「倫、いっぱい食べて早く大きくなるんだぞ。」


そんなことを言う父の顔もデレデレだ。ちなみに妹は今夜はデ-トで遅くなるとのこと。私が会社に復帰した当初は同じ部署だった妹は、現在は別の部署に異動している。その新しい部署で知り合った同僚と付き合い始めて、そろそろ1年ほどになる。


近々、我が家に彼氏が挨拶に来るようなことも聞いている。順調なようでなによりだ。


そして夕食が終わると、今度はお風呂タイムから寝かしつけまでの母子の時間。私の横でついさっきまで、はしゃいでいた倫があっと言う間にスヤスヤと寝息をたてている。


その天使のような表情を見ながら、私も寝落ちしてしまうこともしばしば。この日もふと目を覚ますと、寝室に来てから2時間ほどが経ってしまっていた。こんな状況で、少なくとも平日の家事は完全に母におんぶに抱っこ。ありがたくも申し訳ない。


横で眠るわが子の顔に手を伸ばし、そっと撫でてみる。今日も1日はあっという間、仕事に子育てに、慌ただしくも充実した日々。だけど、それは残念ながら、子供の頃から自分が描いていたものとは違ってしまっている。