あなたを愛しています

「子供を1人産み育てるって、夫婦揃ってても、大変なことなのよ。生半可な覚悟じゃ、とても出来ない。」


「そんなことはわかってるよ。お母さん達が何が言いたいかもわかってる。だけど、これだけははっきり言っておきます。私はこれからも西村瞳として、学の妻として生きていきます。だって私は学を愛しているから、学に愛されて幸せだったから。それ以外の人生なんて、私には考えられないの。」


「瞳・・・。」


「お義父さん、お義母さん。この私の気持ちは、ご迷惑でしょうか?」


そう言って、義両親を見る。


「そんなわけないわよ。学の母親として、こんなに嬉しい言葉はない、ありがたいと思います。」


目を潤ませながらそう答えてくれた義母の横で、義父がうんうんというように頷いている。それを見た私は、今度は両親に向かって


「お父さん、お母さん。この子は文字通り、学の忘れ形見。学がこの世に確かに生きていた、そして私たちが深く愛し合っていた証なんだよ。そして学が私に生きる力を与えてくれる為に、授けてくれた最後のプレゼント。私にとって、この子より大切なものなんて、もう他には何もないの。だから、例えどんなことがあっても、この子を全力で守り、慈しみ、育てます。」


「・・・。」


「でもそうは言っても、私1人でこの子を育てることが出来ないこともわかってます。だから、お父さん、お母さん、私に力を貸して下さい。お願いします!」


こう言って、私は最後に深々と頭を下げた。その私の姿をじっと見つめていた両親は


「瞳の気持ちはよくわかった。私たちは瞳の幸せを考えていたつもりだったが、それは大きな間違いだったようだ。すまなかった。」


「あなたにその覚悟があるなら、私たちも全力であなたをサポ-トするから。安心なさい。」


暖かな笑みを浮かべて、そう言ってくれたし


「あなたはこれからも私たちの娘だし、お腹の赤ちゃんは私たちの孫。私たちに出来ることがあれば、いつ何時にでも駆け付けますから、遠慮なく頼ってちょうだい。」


義母もそう言ってくれて


「ありがとうございます。是非、よろしくお願いします。」


私は感謝の気持ちでいっぱいになって、頭を下げる。


(学、見ててくれてるよね。あなたの赤ちゃん、立派に産んで見せるから。だから、あなたも天国からいっぱい応援してね。)


そう心の中で語り掛けると、リビングに置かれていた学の写真がニコリと微笑んだ・・・そんな気がした。