あなたを愛しています

翌朝、退院。


「地元の産婦人科にかかる時は、この書類を提出してください。じゃ、お大事になさって、元気な赤ちゃんを産んで下さいね。」


見送りに来てくれた先生にお礼を言って、帰宅の途に着く。迎えに来てくれた母は、私の体調を気遣ってくれた後は、言葉少な。もう少し喜んだりしてくれるのかと思っていたら、ちょっと拍子抜け。


そして自宅に戻ると、父と更に西村のご両親まで顔を揃えていてビックリ。


「帰って来て早々で悪いんだが、少し話をさせて欲しい。」


父の言葉に頷いて、私は席に着いたが、みんなの表情が一様に固いのが、不安な気持ちにさせられる。


「瞳、本来なら本当におめでたい話で、私たちも喜ばなければならないんだが・・・今は喜びより驚き、戸惑いの方が勝ってしまってるのが正直なところなんだ。」


「はい。」


「それで、こんなことを父親として、娘に尋ねるのは忍びないんだが、大切なことなんだ、許して欲しい・・・。」


ここで言葉を切った父は、1つ息をつくと


「その、なんだ・・・瞳のお腹の子は・・・学くんとの子供で間違いないのか?」


言い終わった途端、気まずそうに眼を逸らす父。私は愕然とし、次に猛烈に腹が立って来た。まさか、そこを疑われるとは思わなかったが、しかしずっと出来なかった子供が、夫が他界した途端に出来たと聞かされれば、無理もないかもしれない。そう思い直した私は懸命に腹の虫を抑え


「私は学以外の人と、身体を交えたことはありません。そして、彼が亡くなる数日前に身体を重ねた覚えもあります。この子は学と私の子供に間違いありません。」


毅然と言い切った。その私の言葉と態度に、父も他の3人もやや表情が緩んだ。


「そうか、そうだとは思っていたが・・・少しでも娘を疑った自分を恥じる。許してくれ。」


そう言って頭を下げて来た父を見ながら


「お話と言うのは、それだけですか?」


と聞くと


「いや、もう1つ大切なことがあるんだ。」


今度は義父が口を開いた。


「瞳さん・・・率直に聞こう。これからどうするつもりかな?」


「どうするとは?」


「そのお腹の子を・・・産むつもりなのかい?」


またまた異なことを承り、私は一瞬言葉を失ったが


「愛する夫の子供を授かって、産まないなんて選択肢があるはずありません。」


すぐに少し語気を強めて答える。


「それは学さんが生きてらしたら、その通りだけど。」


と言い出したのは母。