「お姉ちゃん、何言ってるの?面接にもたどり着けないって、嘆いてたのを忘れたの?なのに、こんないいお話を断るなんて・・・。」
呆れたように言って来る妹を
「咲。」
たしなめるように詩織さんはその名を呼んだ。そしてまた私に視線を向けると
「ブランクは心配することない。あんたがどこに就職したって、1からのスタ-トになるのは同じじゃない。問題は家の方だね。」
「・・・。」
「やっぱり、離れたくないんだ?ここを。」
優しい表情で尋ねる。
「はい。自分でも甘っちょろいことを言ってるのは、わかってます。それに正直に言えば、この部屋にひとりでいるのが辛いと思うこともあります。寂しくて、切なくて・・・でも、私がもしここを引き払っていたら、この指輪は行き先を失っていたかもしれません。」
「お姉ちゃん・・・。」
「この家以上に、夫の存在を感じられる場所はやっぱりないんです。だから・・・夫がいなくなってから、まだ2ヶ月経つか経たないかの今、ここを離れることは私には出来ません。本当にすみません。」
そう言って。私はもう1度、頭を下げた。その私を少し見つめていた詩織さんは
「愛してるんだね、旦那さんを。」
感に堪えないように言った。改めてそんなことを言われて、恥ずかしくなったけど、でも私はコクリと頷いた。
「その人が、ある日突然いなくなった。私だったら、どうするんだろう?どうなるんだろう?生きていけるのかな?想像もつかない。というか、想像もしたくない。辛いよね。」
「詩織さん・・・。」
「5年か・・・確かにこの家には、旦那さんとの思い出がたくさん詰まってると思う。でもさ、ここに詰まっている思い出だけが全てじゃないでしょ?」
「えっ?」
「それにさ・・・旦那さんはそこにいる。これからも、ずっと瞳と一緒じゃない。」
そう言って、詩織さんは私の左手薬指に視線を落とす。
「詩織さん・・・。」
その言葉に、思わず詩織さんの顔を見た私に
「旦那さんはその為に、その指輪を天国から贈ってくれたんだよ。例えあんたがこの家を離れて、どこに行ったって、いつも一緒にいる為に。違うかな?」
詩織さんは優しく微笑んだ。
呆れたように言って来る妹を
「咲。」
たしなめるように詩織さんはその名を呼んだ。そしてまた私に視線を向けると
「ブランクは心配することない。あんたがどこに就職したって、1からのスタ-トになるのは同じじゃない。問題は家の方だね。」
「・・・。」
「やっぱり、離れたくないんだ?ここを。」
優しい表情で尋ねる。
「はい。自分でも甘っちょろいことを言ってるのは、わかってます。それに正直に言えば、この部屋にひとりでいるのが辛いと思うこともあります。寂しくて、切なくて・・・でも、私がもしここを引き払っていたら、この指輪は行き先を失っていたかもしれません。」
「お姉ちゃん・・・。」
「この家以上に、夫の存在を感じられる場所はやっぱりないんです。だから・・・夫がいなくなってから、まだ2ヶ月経つか経たないかの今、ここを離れることは私には出来ません。本当にすみません。」
そう言って。私はもう1度、頭を下げた。その私を少し見つめていた詩織さんは
「愛してるんだね、旦那さんを。」
感に堪えないように言った。改めてそんなことを言われて、恥ずかしくなったけど、でも私はコクリと頷いた。
「その人が、ある日突然いなくなった。私だったら、どうするんだろう?どうなるんだろう?生きていけるのかな?想像もつかない。というか、想像もしたくない。辛いよね。」
「詩織さん・・・。」
「5年か・・・確かにこの家には、旦那さんとの思い出がたくさん詰まってると思う。でもさ、ここに詰まっている思い出だけが全てじゃないでしょ?」
「えっ?」
「それにさ・・・旦那さんはそこにいる。これからも、ずっと瞳と一緒じゃない。」
そう言って、詩織さんは私の左手薬指に視線を落とす。
「詩織さん・・・。」
その言葉に、思わず詩織さんの顔を見た私に
「旦那さんはその為に、その指輪を天国から贈ってくれたんだよ。例えあんたがこの家を離れて、どこに行ったって、いつも一緒にいる為に。違うかな?」
詩織さんは優しく微笑んだ。


