「西村学の妻です!」
大通りでタクシ-を拾い、駆け付けた建物の受付で、私は叫ぶように名乗った。警備員服を着たおじさんが、私を一瞥したあと、どこかへ電話していたが
「少しお待ち下さい。」
すぐに、感情のない声で告げる。焦りを隠せないまま、待つこと数分。現れたのは白衣姿の看護師さんだった。
「西村さんですか?」
頷く私に
「ではご案内します。」
彼女は冷静に告げると、私を先導して歩き出した。エレベ-タ-で地下に下がり、歩いた先に案内された部屋。ひんやりとした、背中がゾクゾクッとするような雰囲気に包まれた空間の中にあるその部屋の入り口には「霊安室」という表示があった。
思わず足を止めた私に
「中で警察の方がお待ちです。」
と言った看護師は、中に入るように促した。恐る恐る歩を進める私を看護師は、一礼して見送る。
中に入ると、まず目に入ったのは、白い布に覆われ、顔にやはり白い布を掛けられ、ベッドに横たわる人の姿。息を呑んで立ち止まった私に
「お待ちしておりました。」
と掛かる声。沈痛な表情で横に立っている1人の男性からだった。彼は身分証をかざし、自分の所属する警察署と名前を名乗ったが、私の耳には入って来なかった。彼が交通課の刑事だと知るのは、のちのことだった。
大通りでタクシ-を拾い、駆け付けた建物の受付で、私は叫ぶように名乗った。警備員服を着たおじさんが、私を一瞥したあと、どこかへ電話していたが
「少しお待ち下さい。」
すぐに、感情のない声で告げる。焦りを隠せないまま、待つこと数分。現れたのは白衣姿の看護師さんだった。
「西村さんですか?」
頷く私に
「ではご案内します。」
彼女は冷静に告げると、私を先導して歩き出した。エレベ-タ-で地下に下がり、歩いた先に案内された部屋。ひんやりとした、背中がゾクゾクッとするような雰囲気に包まれた空間の中にあるその部屋の入り口には「霊安室」という表示があった。
思わず足を止めた私に
「中で警察の方がお待ちです。」
と言った看護師は、中に入るように促した。恐る恐る歩を進める私を看護師は、一礼して見送る。
中に入ると、まず目に入ったのは、白い布に覆われ、顔にやはり白い布を掛けられ、ベッドに横たわる人の姿。息を呑んで立ち止まった私に
「お待ちしておりました。」
と掛かる声。沈痛な表情で横に立っている1人の男性からだった。彼は身分証をかざし、自分の所属する警察署と名前を名乗ったが、私の耳には入って来なかった。彼が交通課の刑事だと知るのは、のちのことだった。


