あなたを愛しています

(よし、決めた。)


今日はご馳走、私が自分でちゃんと作る。そして学が帰ってきたら、新婚の時みたいに


「おかえり!」


つて言って、ギュッしてあげるんだ。そして言おう


「今朝はごめんね。」


って。どっちが悪いとかもういいんだ。だって私と学は、今は2人きりの家族なんだもん。愛してるんだもん。そんな大切な人と、いつまでも気まずい雰囲気で過ごしたくない。


心が決まった私は、買い物を済ませ、一目散に家に帰った。


気合を入れて、料理を作る。うん、我ながらいい出来。あとは愛しの旦那様のお帰りを待つばかり、なのに・・・。


7時になり、8時になり、9時になっても・・・一向に帰って来る様子がない。いくら電話しても、出ないで留守電になっちゃうし、LINEは未読のまま。


(まさか、朝のことで拗ねて、どこかほっつき歩いてるの?)


さすがに、段々腹が立って来て


「もしもし、今どこなの?いい加減、連絡してよ!」


何度目かの留守電をいらだちを隠せない口調で入れたあと、1つ息を吐いた。


すると少しして、ようやく携帯が鳴った。ディスプレイに表示された名前を確認した私は


「もしもし。今、何時だと思ってるの?・・・。」


文句を言い始めた私を遮るように


『失礼します。西村学さんの奥様の携帯電話で間違いございませんか?』


と聞き慣れない、それも女性の声が。


(えっ、誰・・・?)


まさか・・・瞬間、想像をたくましくして、思わず身構えた私が、一転血相を変えて、家を飛び出したのは、それから間もなくのことだった。