そんな俺を助けてくれたのは、橙と名乗る悪魔だった。

彼と融合して悪魔になれば、母さんを殺せると教えてくれた。


俺は迷わなかった。

どんな結果になったとしても、今より酷いことにはならないだろうという自信があった。



そうして俺の身体は作り替えられて、その日から人間じゃあなくなった。


母さんを殺すのは簡単だった。

いつものように俺に欲情してきた母さんから、吸えるだけの精気を吸ってやった。

俺に跨ったまま動かなくなった母さんをみて、俺は笑った。



これでやっと、自由になれる。



罪悪感なんてなかった。ざまぁみろとしか思えなかった。

すっきりした気分で笑いながら、だけど、なぜか目からは涙が溢れて止まらなかった。