私にはちょっとした特技がある。特異体質といってもいいかもしれない。
人の心の色が、オーラとして見えてしまうのだ。
心が綺麗で善性な人は美しい光が、心が汚くてあくどい人は濁った闇が、その人の背後に見える。
といっても、ほとんどの人はその時の感情や状態によって少し光っていたり、少し曇っている程度だ。
例えば、体調が悪かったり、落ち込んでいればオーラが濁る。
逆に、良いことがあって嬉しい気持ちのときはオーラが輝く。
友達のオーラが曇っていると、何かあったのかな?と気にかけてあげられる。
その程度の、少し便利なだけの能力なのだけれど。
クラスの中央にドーンと鎮座するどす黒い闇を見て、私は心の中で嘆息する。
春日太陽。
その名前の通り、太陽のように輝いている男の心の中は、今までみた他の誰よりも真っ黒なのだった。
絶対に関りたくない。
そんな風に考えて、私はいつも遠くから春日太陽を観察していた。