「なにするつもりか分からないけど、春日くんの思い通りになんてならないから」

「反抗的な目。そうこなくっちゃ」



春日くんの手が私の耳に触れる。

それだけで、怖くて身体がびくっと反応してしまう。


「大丈夫、そう酷いことはしないよ。今はね」


春日くんは私の耳元でそうささやくと、ちゅっと耳にキスをする。


「やだっ!」


春日くんの吐息が耳にかかって、身体がびくりと震える。

背中がゾクゾクとして、なんだか気持ち悪い。



「へぇ、敏感なんだ」

「耳元で喋らないでっ!」



くすくすと笑う吐息が耳から首元に触れて、私はぎゅっと目をつぶった。

耳に触れられているだけで、身体がぞくぞくしておかしな感じになってしまう。



「なんなの、これ?」

「凄いね雨夜さん。全然なにもしてないのに、漏れ出てる精気が濃厚」



 春日くんは私の頬に手を当てると、ぺろりと自分の唇を舐めた。


「じゃあ、いただきます」


 そういうと、春日くんは私の口に唇を重ねた。


「っ、んんんん!」


 逃げようにも身体が動かず、文句を言うこともできない。

 ろくな抵抗もできずにいると、口内から何かが春日くんへと流れ出ていく気がした。

 身体の力が抜けて、目の前がくらくらして、視界が白く染まる。