次に私が目を覚ますと、部屋の中に紫苑さんが居た。

太陽くんと並んで、私が眠っているベッドを覗き込むようにしている彼を見つけて、思わず私は悲鳴を上げる。



「ぎゃぁ! なんで紫苑さんがここに!?」

「人の顔見て悲鳴をあげるとはぁ、失礼なヤツだなぁ、クソ女」



虫の居所が悪いのか、紫苑さんは不機嫌そうにジロリと私を睨む。

いや、機嫌がわるいわけじゃなく、紫苑さんは私に対してはいつもこんな態度だ。



「せっかくこの俺様が、親切にもてめぇらに手を貸してやろうってのに、ずいぶんな態度じゃねぇか」

「え、手を貸すって……?」



紫苑さんの言葉の意味がまったく分からなくて、助けを求めるように太陽くんを見る。


「俺が人間に戻れるように、紫苑さんが手を貸してくれるんだ」

「……は? え? ええええ!?」



あまりに衝撃的な発言が飛び出して、私は驚愕した。

太陽くんが人間に戻る? たしかに、そういう方法があるってライアンさんが言っていたけど、太陽くんはそのことを知っていたの!?

いや、それよりも!