目が覚めると、ものすごい倦怠感が身体を襲った。

ぐわんぐわんと目が回って、少しだけ頭痛もする。



「月乃ちゃん、目が覚めた?」



すぐ近くに、心配そうに私の顔を覗き込んでいる太陽くんが見えた。

太陽くんの顔は、昨日よりも血色がよくなって、ツヤツヤしている。

飢餓状態だった太陽くんに精気を食べられ過ぎて、どうやら意識を失ってしまったらしい。

いつの間にか、私は見知らぬ部屋で寝かされていた。



「頭いたい……身体、重い……」

「ごめん。頑張ってセーブしたつもりだったんだけど、ちょっと食べ過ぎちゃったみたい」



太陽くんが申し訳なさそうに言った。


「気にしないで。太陽くんは、元気になった?」

「うん、かなり回復した。月乃ちゃんの精気はすごいよ」



太陽くんははぁと息を吐いてから、泣きそうな表情で、ぎゅっと私を抱きしめた。



「俺、本当に月乃ちゃんがいないとダメだ。俺は月乃ちゃんから奪うばっかりで、何一つ与えられないのに……それでも、俺には君がいないとダメなんだ」