俺は、間違った性別に産まれてきた。

周りより一回りぐらい大きくて。

力も、みんなよりあった。

小学生の時。

2年生までは男の子が好きだった。

でも。三年生初日。

僕は恋した。

一目惚れだ。

「篠宮 零」

目があってすぐに。

何かを射抜かれた。

「友達になろうぜ!!」

「う、うん。よろしく。」

それから何年たっただろう。

気付けば高校生

ずっとずっと。

親友として隣に立ってる。

僕の思いはいつ届くんだろう。

なんてね。

さぁ、今日も。

作り笑いで。

学校に行くんだ。

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「いってきま〜す」

「あっ!!千鶴!!薬のんだ??」

「あ〜。飲んでない。」

僕は病弱なんだ。

ついこの前。また熱を出した。

薬を飲まない日がない。

「よし。飲んだ。」

「いってらっしゃい!!」

登下校は電車。

零と一緒に。

「千鶴!!おはよ!!」

「おはよ〜。早いねwww」

「お前が遅いんじゃボケ!!」

「ごめんてぇ」

いつもの。しょうもない話をしながら

ホームへ入っていく。

「今日は早く着いたとおもったんだけどね〜」

「お前の早くは早くない!!」

「あれ??零と千鶴じゃね??」

そこにいたのは、同じクラスの「柴田 健人」

やけに零距離が近くて嫌いだ。

「お〜健人!!おはよ!!」

「おはよ〜健人」

「おはよ。つかさ、零。昨日の◯◯見た??」

「あ〜あれな!!見た見た!!」

ほらな。まただ。

こうしていっつも線引されるんだ。

もう僕は話に入って行けない。


スマホを取り出して、イヤホンをつける。

声なんて聞きたくもない。

なんなら、今すぐここから逃げだしたい。

ゲームを開く。

『ログインボーナスだぜ!!』

画面の中のキャラクターは。

いつでも俺を歓迎してくれるのに。

現実はそうじゃないみたいだ。