「で、たまたまシロが道路をわたっていくのを見て、僕は気がつけば道路のまんなかに立ってた。無我夢中でシロを抱きしめてたんだよ。……まぁ、はねられるのは当然だよね」 切なげに肩をゆらして笑う俊。 「あきれちゃうでしょ?猫を助けるためにとびだしていったのに、自分が事故にあうとか」 ……どうしよう。 かっこよすぎて言葉も出ない。 自分の命よりも、シロちゃんの命を大切にする。 そんなヒーローは俊だけだよ……。 あきれるどころか、また惚れてしまう。 ……でもね。