「実はさ、あの日シロを見かけたんだ」 夕日を見つめながら、俊は静かに口をひらく。 「え……シロちゃん?」 「そ。野良猫だから、エサを探しに屋台をうろついてたんだと思う」 そういえば、最近。 夏休みに入ってからは駅に行くこともなくなって、シロちゃんの様子がわからなかったんだよね。 そっか……エサを求めに屋台に。