あれ、そういえば。 私がほおばっている横で、もう一つ買ったいちごパンの袋を、さっきから開ける気配が全然ない俊。 「俊は食べないの?」 「僕は違うの買ってあるから。このパンは猫にあげるよ」 「ふふ、優しいね」 「別にー」 駅をおりた通学路に、のら猫さんが1匹いるんだけど。 動物にも優しさが伝わるのか、俊にとてもなついてるんだ。 「喜ぶね!」 「猫の喜ぶとこも見たいけど、結々の笑顔には負けるね」 「もう……っ」 照れかくしで、私はパンに視線をそらす。