独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。




「てことで、遅くまで長引かせちゃってごめん……。あとはカギ俺がやっとくから、西花さんは先に帰ってて大丈夫だよ」



はい、と黒瀬くんがいつもの優しい笑みを向けて、テーブルに置いていた私のカバンを手渡してくれる。



「あ、ありがとう、黒瀬くん。じゃ……じゃあ、あと……お願いします!」


「うん、まかせて」



さっきの重たい空気から切りかえるように、明るくおちゃめにウインクを飛ばす黒瀬くんに、私は甘えてぺこりと頭を下げてから図書室を出た。



廊下の窓に目を向けると、くもった私の心とは対照的に、美しい夕やけ雲が空を流れていた。



ぼーっとしながら駅のホームまで向かい、家に着いてからは自分の部屋に直行するなり、制服も着替えずに、そのままベッドで朝まで寝おちしてしまった。