「太田さん、ちょっと結々のこと借りるね」 「あ、うん……どうぞ」 俊に手首を引っぱられながら廊下に出ると、連れてこられたのは誰も使ってない空き教室。 使われてないからホコリがすごい。 「なんで僕を避けるの?」 手首はまだつかまれたまま、俊に聞かれる。 「っ……、それは……」 “嫉妬した”なんて言えないよ……。 「けっこう傷つくんだけど。僕なにかした?」 「ご、めんね……」 どうしても俊と目を合わせられなくて、自分の足元にうつむく。