飯ごうとカレー鍋の準備ができた。次は薪を組んで、火を起こす番だ。

 校外学習のしおりを読みながら、その通りに薪を組んでいった。それが終わると、丸めた新聞紙に火を付け、炉の奥に押し込んだ。

 みんな無言だった。ただ炉を見つめてた。

 極細の薪から燃え始めた。

 小さな火だったのが、徐々に燃え広がり、大きくなっていく。

「おおっ、小山の薪が活躍したぞっ」

 ハヤト君が茶化す。

「だから、そういうのが恥ずかしいんだってば!」

「ううん、堂々と胸を張るべき」

 サキちゃんまで。
 
 またみんなでゲラゲラ笑う。

 今日はずっと笑ってばかりな気がする。

 不思議と、サキちゃんとハヤト君のことを気にすることもなかった。
 
 みんなでいっしょの時間を共有できて、なーんて楽しいんだろっ。