相可(おおか)くんは切なげな顔をした。 それを聞いて、わたしの胸がきゅっと痛む。 どうして、そんなこと言うの……? “飴渡したの、俺だ”って言ってよ。 そう言いたかったけど、声が出なかった。 「黒図(くろず)、なんで泣いて…」 その言葉を聞いて、自分が泣いていることに気付いた。 わたしは何も答えずに、ダッ! と走り出し、教室に戻っていく。 「黒図(くろず)!」 相可(おおか)くんの叫びを無視して。 「…………」 相可(おおか)くんが黙ったまま複雑な表情を浮かべ、自分の前髪に手の平を当てていることも知らずに――――。