桃住(ももずみ)さんは相可(おおか)くんに頬を緩ませ笑うと、わたしの存在に気づいてわたしの方を見る。 「あっ、黒図(くろず)さん…」 桃住(ももずみ)さんは申し訳なさそうな顔をする。 「勝手に席借りちゃってごめんなさい」 「気分悪くて少し休ませてもらってたんだ」 「すぐ戻るね…あっ」 桃住(ももずみ)さんはふらっとし、左隣の相可(おおか)くんに寄り掛かる。 相可(おおか)くんが肩を抱き、起こす。 それを見てわたしは複雑な気持ちに駆られる。