「ハハッ!俺サバサバしてる子結構好き」
「私ナルシストは嫌い」
さすがにコレは怒るだろう。
ナルシストなんて言われて好きな人はいないと思う。
……だがこの王子は真逆のようだ。
「へえ…いいね~気に入った。てことで連絡先交換しよっか」
「はっ?」
「絶対いや」っと言いたげな表情を見せるが王子は構わずポケットから携帯を取り出す。が。
「……あれ?」
その携帯に違和感を持った私は、ハッとしてカバンの中を探った。……無い。
「感づくの早いね~」
「っ!!!それ、私の!!」
「ちょっと待ってね~もう少しだから」
手慣れているのか凄い速さで携帯をいじり始める王子。
「返して!!」
「はい、完了。」
意図も簡単に返してくれたが、至近距離で王子の携帯の画面を見せられた。何?っと目を細める私。
そして王子はニコッと笑う。
「石沢サンの連絡先ゲット♪」
「っ…」
(やられた…)
キッと睨むが王子は楽しそうに笑うだけ。その反応に「はぁ…」と溜め息が出る。



