「ねぇ、どうなの?」 「あ、薬持ってきますね。」 「はぐらかさないでさ」 何故か答えてくれない颯太さん。 付き合った事、あるのかどうか。 それを聞きたいだけなのに 「ねぇ、颯太さ…」 再度。 颯太さんの顔を覗いて聞いた時だった。 「 紀恵さん。」 「っ!」 途轍もなく、低い声。 目が合ったが、私は何故か逸らしてしまう。 (…やばい) 真顔なのだが、颯太さんの目つきが変わった気がした。ゾクッと背筋が凍る。