執事的な同居人





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(あっ…着いたんだ)





ゆっくりと停車したこの場所は、どこかの駐車場。



颯太さんに「着いたよ」と言われる前からその事には気づいていた。





「おいで」





いつものように
颯太さんは助手席のドアを開けてくれる。


そしてエスコートするように私の手を取った。





(最後の最後まで…颯太さんらしいな)





嬉しい。けれど、複雑な気持ちでもある。




こーゆーことをしてあげるのは、私にだけじゃないのだから…。






颯太さんに連れられるがまま後をついていく。




「ここ、知ってる?」

「え…?」




不意に話し掛けられると、私は俯いていた顔をあげて、颯太さんが示す場所を見た。





(あれ?ここ…)





外観は木目調のデザインにガラス張りで、看板には" o.a.s "とここの名前らしきもの。



家…っぽくない。





「知らないか」




外からでも中の様子がよく見えるここ。



想像していた事と場所が不一致すぎて唖然とする私に颯太さんはふわりと笑ってそう言う。




そして再び私の手を引くと、今度は私と横に並んでその場所の中へと踏み入れた。


カランカランと音が鳴り、
中にいた人の視線が私達へと向くと





「いらっしゃいませ!」





私達にあてられた明るい声が耳に響く。





「えっ、……え?」





混乱する私の目には、数人のお客さんらしき人とエプロンをつけた店員さん、テーブルや壁に並べられた沢山のアクセサリーが映る。……あの女の人の姿はない。



よく分からない状況と予想に反しての出来事。



落ち着きなく、驚きのあまり周りをキョロキョロと見渡してしまっても仕方がないこと。





「明日取りに来る予定だった島崎です。急で申し訳ないですが、本日受け取りたくて。商品仕上がっていますか?」




そんな私とは裏腹に、颯太さんはこの空間に慣れているようで、店員さんにそう声を掛けていた。




「商品…?」




何の話、なんだろう。


商品ってなに?
明日取りにくる予定だった?




全ての内容に首を傾げる私とは違い、

颯太さんは店員さんと話を進める。