「ちょ…颯太さんっ…!?」





なにこの体制……すごく恥ずかしい!!!




けれど颯太さんはそんな私を気にも留めることなく、軽々しく私を抱き上げながら歩き始める。



思いがけない事に慌てふためくも、あのキスのせいで力が入らない私は運ばれるがまま。





「わわっ…」




連れてかれた場所は颯太さんの部屋。



そして柔らかいこの感触は、

よく一緒に眠るベッドの上。



私をこの場所に下ろす時はとても丁寧だ。





「強張った顔も怯えた目つきも二度と見たくないからこそ、俺の中にある醜い心なんて見せたくなかったのに。」





ベッドに足をかけて吐息が触れそうなを距離まで顔を近づけられると、





「あっ…」





颯太さん屈んで私の顎を掴み引き寄せた。




そこには全てを見通したような表情を浮かべる彼がいて…





「───どうやら俺の彼女は荒くされるのがお好きなようで。」





そのまま親指が唇にかかり、薄く開かされる唇。





どこか嬉しそうにも見えて


けれど意地悪なその顔に



胸の音が妙に大きく聞こえて顔に熱が集まっていった。