───────────颯太side




「紀恵さん、ご飯おかわりしますか?」



「…………」



「あ。紀恵さんの好きな俳優さん出てますよ」




ピッ。




「(…無視ですか)」




紀恵さんは無言のままその俳優が出ている番組を録画すると、




「ごちそうさま」



「あ、はい」




すぐさま自分の部屋に戻っていく。




かれこれ、こんな状況が2日間続いていた。




「(やっぱり、言わない方が良かったのでしょうか…)」




ホストで働いているとカミングアウトをした後から、紀恵さん汚らしい物を見るかのような目で俺を見る。




ホストって事だけで、そんなに毛嫌いする事が俺にはわからない。




「(説明不足…ですね。)」




実はというと




俺自身がホストってわけではない。