「ちょっ…!重っ!!」
ズシリと密着する身体。
颯太さんが私の上に覆いかぶさり、小柄な私はそれによって埋もれる。
「どい…、…っ!?」
……なに、この匂い…?
フワリと香る、
途轍もなく甘い香り。
それはよく女の人がつけている香水の香りだと思う。
「………?」
その匂いが颯太さんから香るのは…なぜ?
颯太さんがつけてんの?
女性物の香水を?
一瞬想像してみたものの
「…んなわけあるかっ!!」
グッと颯太さんの身体を、力強くドンッ!!と押し返す。
その隙にサッと忍者のように素早くベッドから降りた。
颯太さんは顔面からベッドに落ちたものの、スースーと今だに寝息をたてている。
「…………」
そんな彼を汚らわしい物を見るような目で睨んだ。
………だから昨日帰って来なかったんだ。
女の人とあんなことやこんなことして…!!



