「……………………」
颯太さんの目は
鋭い目つきとは打って変わって
「っ、……ん」
見つめられると身体が熱くなるような、そんな甘い目をしていた。
強引に割り込む舌も甘くて
お互いの息はとても熱くって
「ひゃっ…」
ヒョイッと軽々しく私を抱き抱えると、身体が宙に浮く。
颯太さんが私を連れてスタスタと歩いていく先は考えなくても分かる場所。
颯太さんの部屋。そしてベッド。
……この間、一緒に寝た場所だ。
ゆっくりとその場に下ろされると、颯太さんは緊張でいっぱいの私の上へ跨る。
「勉強に必死で最近冷たいだとか、男と一緒に勉強しているだとか、まだ高校生だとか。
……今はもうそんなのどうでもいーわ」
そして、柔らかく私の髪の毛を掬って
「紀恵は俺のなんだよ」
チュッと髪にキスを落とし
急ぐように、今度は唇へとキスが落ちる。
甘くてとろけそうな、そんなキスを。ずっと。
頭が沸騰しそうな恥ずかしさや、今までにない感覚。何もかもが初めてで当然ついてけなくて…
「今日はこの事だけ覚えてればいいから」
「……っ」
「あとは全部忘れろ…」
口調はいつもと違って荒いけど
私に触れる手はとても優しい。
「好きっ…」
何度その言葉を言ったのだろう。
今のこの状況が本当に幸せで
「大好き…っ」
止まらなかった。