バンッ!!!
1時間とちょっとが経った今、玄関のドアが勢いよく開く音が聞こえた。
少しうたた寝してしまっていた私はビクッ!っと肩が跳ね上がるほどに驚いた。
バタバタと騒がしく中に入ってきたのは
「紀恵さん!!!」
もちろん、颯太さん。
「あっ…」
久々に見た。久々にちゃんと顔を見た。
久々に真正面から見た颯太さんの顔はいつにも増してカッコよく見えた。
キラキラと輝いていて
ギュッと胸が苦しくなって
「紀恵さっ…」
眉根を寄せて息を切らす彼はソファーに座っていた私の姿を見つけると、酷く安心したかのように眉尻を下げて
「っ、」
少し荒々しく私を包み込んだ。
勢いよく抱き締められたことにより、私は颯太さんと共にソファーへ倒れてしまう。
ギューーーっと本当に強く。
「苦しいよ…っ」
そう言っても、
力を緩めることも離れる様子もなくて
「………れた」
「え…?」
聞こえない。顔の角度を変えて颯太さんに視線をあてるも、見えるのは後頭部。
顔は見えない。
「どこ、触られた」
けれど、見なくても今どんな表情なのかその声で理解出来た。
途轍もなく、低い声。
ゾクッと背筋が凍るほど。
颯太さんは今
「早く答えろっ…」
酷く怒ってる。



