音怜くんは、優しい笑みを浮かべて、私の頭の上にポンッと手をのせた。
それだけでキュンとしてしまう私。
でも、モヤモヤと疑問が湧き上がる。
どうしてこんな私に、よくしてくれるんだろう?
音怜くんの周りには、可愛い女の子とかいくらでもいるのに、どうして私なんだろう?
それから、私たちは床に並んで座り込み、資料室の中で無言でいた。
さっきの疑問の答えを知りたかったけど、音怜くんも私がなんで泣いていたのか
聞く素振りをみせない。
だから、私もマネして質問は控えることにした。
そして、私がスマホでお母さんにメールを送ったあと、音怜くんは立ち上がり
さっさと部屋を出てしまう。
そして、今現在に至る。
「音怜くん、待ってよ!」
私は小さくなりつつある彼の背中を追いかけた。
けど、さっきまで優しかった態度とは裏腹に、歩くのをやめない音怜くん。
たたたっと、私が廊下を走ると「走ってはいけませーん」と意地悪を言ってきた。

