そろそろ、部活の終了時刻だ。
もしかしたら早めに終わっていて、理々乃ちゃんは待っているかもしれない。
私は、スクバに私物を入れて、昇降口へと急いで向かった。
「あ! 理々乃ちゃー………」
予測通り、彼女は靴箱の前でウロウロしていた。
けど、そこにはもう一人、赤いメッシュの髪の正真正銘の“あーくん”がいて、
私は廊下の隅の柱に、慌てて隠れる。
え、え? なんで、あーくんがいるのっ!?
「なぁ、川高来ないじゃん。城守さん、俺と二人で帰ろーよ」
「も~……、そんなこと言わないで、つぼみは私の親友なのっ!」
「じゃあ、キスしてくれたら、もうぐだぐだ言わないから」
「仕方ないわね~……、一回だけだよ?」
え、え、え!!? き、キスぅ!?
心臓が嫌な音をたてる。
けれど、私は、その二人から気になってしょうがなくて目線が離せなかった。
理々乃ちゃんと、あーくんの顔が徐々に近づく。
やだっ………、お願い、キスなんかしないでよっ………!!
カタカタと恐怖で、小刻みに震える私の身体。

