養護教諭の先生と入れ替わるように、誰かが保健室に入って来たのだ。
囲っているクリーム色のカーテンのあいだから現れたのは、なんと音怜くん。
「ねねね、音怜くん!?」
「なにー、その反応。人がせっかくこれ持って来たのにー」
音怜くんは、私のお弁当箱をぶらぶらさせてから私に渡した。
「あっ、ありがとう………」
「どーいたしまして」
「…………」
「…………」
お互い、沈黙が流れる。
だけどそれを破ったのは私の方だった。
「あのね………、音怜くん、私もう彼女のフリをすることは出来ないの」
「は? それ、どーいう意味?」
「もう、お互い、なるべく関わらない方がいいと思うから。音怜くん人気者だし
私じゃなくて、仮の彼女になってくれる女の子、たくさんいると思うよ」
すると、音怜くんは大きなため息をついて口を開いた。
「お昼休みに俺、呼び出したのってそれの為?」
「………う、うん」

