「だから、つぼみもそうなる前に、音怜くんから離れた方がいいよ! 私、心配なんだよ、つぼみが傷つくところも見たくないし!」

「………」
理々乃ちゃんの言いたい気持ちは凄く伝わってくる。
なのに、私は黙ったまま、俯くことしかできない。

「とにかく! 音怜くんから早く別れて!? これ、忠告だから!!」
理々乃ちゃんは、部屋から出て行く間際に、振り返ってそう言葉を残した。

───ガラガラ、ピシャッ。

戸が閉まったあとも、私はそのまま呆然とその場に立ち尽くしていた。
私は、一体、そうすればいいんだろう………。